アセテートとは、植物の繊維素材から作られるプラスチックの一種。詳しく言うと、綿花の種に生えている産毛(リンター)を原料にした木綿の繊維素(セルロース)に酢酸系の溶剤を付加して生成したものです。植物由来の自然素材から作られているのでアレルギーが少なく、環境にも優しい資材といえます。
現在のプラスチックメガネの大半は、アセテートが使用されています。透明度が高く、色の発色に優れ、また、色や柄の組み合わせが自由自在にでき、洋服の生地のようにあらゆる表現が可能です。植物性なので木の様に切削が簡単なうえ、柔らか且つしなやかなので、さまざまな形に加工が出来ます。
木綿の繊維素で最も古い素材として知られるのは、セルロイドです。強靱で二次加工性に優れ、過去にはピンポン球や装飾品など様々な製品にも用いられていました。ただし、非常に可燃性が強く、そのせいで生産方法が限定される(製造期間も長くなる)特徴を持っていました。一方、アセテートは耐候性が良く、また、セルロイド用のメガネ加工機がそのまま応用できたことで、プラスチックメガネの素材として広がったのです。